国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN 2026」の授賞式が6月13日、東京都江東区のトヨタアリーナ東京などで開かれた。主要6部門のひとつである最優秀楽曲賞には、サカナクションの「怪獣」が選ばれた。
「怪獣」は、アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の主題歌として2025年にヒットを記録した楽曲。サカナクションはこの曲を軸に、最優秀楽曲賞、最優秀ミュージックビデオ作品賞、最優秀ロック楽曲賞、最優秀アニメ楽曲賞を受賞した。
さらに、最優秀ロックバンド / ソロアーティスト賞、最優秀ライブ照明スタッフ賞 in association with 日本舞台技術スタッフ団体連合会、最優秀ライブ音響スタッフ賞 in association with 日本舞台技術スタッフ団体連合会、最優秀アートワーク賞 in association with 日本グラフィックデザイン協会にも選ばれ、計8冠を達成した。
サカナクションは、山口一郎(Vo, G)、岩寺基晴(G)、草刈愛美(B)、岡崎英美(Key)、江島啓一(Dr)からなる5人組バンド。2005年に札幌で活動を始め、2007年に1stアルバム「GO TO THE FUTURE」でメジャーデビューした。文学性の高い歌詞と郷愁を帯びたメロディを軸に、ロックからクラブミュージックまでを横断するスタイルを築いてきた。
近年も評価は高まっている。2025年には「怪獣」が広く支持され、同年12月には2013年の初出場以来12年ぶり2度目となる「NHK紅白歌合戦」出場を果たした。2026年2月リリースの「いらない」も各配信チャートの上位を記録している。音源の完成度だけでなく、視覚と聴覚を刺激するライブパフォーマンスでも高い評価を得てきた。
「MUSIC AWARDS JAPAN」、通称MAJは、日本レコード協会、日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽出版社協会、コンサートプロモーターズ協会の主要5団体が垣根を越えて設立した、一般社団法⼈カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会(CEIPA)による音楽アワード。「世界とつながり、音楽の未来を灯す。」をコンセプトに、2025年5月に初回の授賞式が開催された。
日本やアジアの音楽を世界へ発信することを目的に創設されたこの賞は、「日本版グラミー賞」とも呼ばれる。昨年の第1回授賞式は京都で行われ、今年は会場が東京に変更された。MAJ2026では昨年から規模を拡大し、全78部門を用意。ノミネート作品 / アーティストを対象に、音楽関係者約5000人の投票などを経て、最優秀作品 / アーティストが決まった。
山口一郎は受賞について、「率直にうれしい」と語り、音楽業界人5000人が選び、厳正なる監査機関がある審査の中で自分たちの楽曲が選ばれたことは、自信になったと喜びを示した。また、自身の病気による活動休止のあと、周囲に支えられて復活したことにも触れ、休養明けで最初に書いた曲がここまで評価されたことで、まだまだ頑張れるという勇気を得たと述べた。
今回の受賞で山口が特に大きいと受け止めたのは、今年から設けられたライブのセクションだった。ライブに関わるPAや照明のスタッフが表彰されることで、イベンター、マネジメント、レーベルなどがライブにお金を使い、より良い音と演出で届けようとする動機になると説明した。その結果はリスナーにも還元されるとして、ライブ関連の賞が設立されたことを高く評価した。
山口は、ライブが素晴らしいバンドが世界で戦っていくべきだとも語った。サカナクションらしいライブへのこだわりが、今回の計8冠の中でも強くにじむ形となった。
主要6部門では、最優秀アーティスト賞をMrs.GREEN APPLEが2年連続で受賞した。会場では藤井風らによるパフォーマンスも披露され、近年のJポップの広がりを象徴するステージとなった。
「怪獣」は最優秀楽曲賞だけでなく、アニメ、ロック、ミュージックビデオの各領域でも評価された。サカナクションにとって今回のMAJ2026は、楽曲、映像、ライブ制作、アートワークまでを含めた総合力が示された授賞式となった。
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