政府・与野党が参加する社会保障国民会議で、飲食料品・食料品の消費税率引き下げをめぐる議論が大詰めを迎えている。各党の代表者による実務者会議は27日、意見集約を断念し、各党の意見を併記した中間とりまとめ案を示した。29日午前には東京都内で有識者会議も開かれ、午後には高市早苗首相が出席予定の国民会議に報告される見通しとなった。
焦点となっているのは、飲食料品・食料品の消費税率を来年4月から引き下げる案だ。実務者会議のとりまとめ案では、飲食料品の消費税率を1%に下げる与党の主張が明記された。一方、29日午前の有識者会議では、食料品の消費税率を来年4月から2年間限定で1%に引き下げる案を巡り、賛否両論を併記した中間とりまとめ案が示され、有識者から異論は出なかった。
与党側は、1%分の税収に当たる年約6000億円を中低所得者に現金給付し、「実質ゼロ化」を目指す方針も掲げている。これに対し、野党側の見解も中間とりまとめ案に併せて列挙された。国民民主党は「当面の対応として、年内に給付を行うべき」と主張し、中道改革連合は恒久的な減税に加えて「早急に給付を行うべきだ」とした。
実務者会議では、各党の意見を一本化するには至らなかった。議長を務める自民党の小野寺五典税調会長は終了後、意見集約に向けて議論を積み重ねてきたものの、一致には至らず、各党の意見を併記する形でとりまとめたと説明した。国民民主党の古川元久税調会長は、今回のとりまとめ案について「了としたい」と述べており、各党の主張が反映されたことで、成案に向けては前進した形だ。
この実務者会議は3月に始まり、今回が21回目となった。これまでの協議では、所得に連動した新たな給付制度を令和11年度に本格導入し、収入が比較的少ない働き手を支援することで合意している。
高市首相は27日の記者会見で、消費税減税の是非について「十分性、迅速性の観点から最適な負担軽減方法について最後の最後まで知恵を出し合いたい」と述べた。29日にも高市首相らが出席する親会議で議論の結果が報告され、首相が近く最終判断する見通しだ。国民負担の軽減をどう実現するのか、減税と給付の組み合わせを含めた最終判断が注目される。
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