トランプ米大統領は21日、イラン中部ナタンツ近くのピックアックス山周辺を「近いうちに激しく攻撃する」と述べた。山の地下深くにイランが核関連施設を建設しているとされ、イランの核保有阻止の意向を改めて示したもの。具体的な時期については言及しなかった。
ピックアックス山は、イランのウラン濃縮施設ナタンツの南約1.6キロに位置する。イスラエルの情報機関は、イランが昨年秋に数千基のウラン濃縮用遠心分離機を山中の坑道内に移送したと分析しており、この分析は米側にも共有されているとみられる。トランプ氏は「我々には記録がない。我々は核物質を追っている。重要なのはそこだ」とも述べ、高濃縮ウランが山中に保管されているかどうかが問題だとの認識を示した。
シンクタンク分析によると、地下に通じる2組の入り口が存在し、これらの入り口には約50メートルの高低差があることから、地下に複数の階層がある可能性もあるという。イラン当局は6年前に遠心分離機の製造工場をピックアックス山に設置すると発表しているが、科学国際安全保障研究所はいまだ稼働していないとしている。施設は硬い岩盤の地下100メートル前後にあるとされており、空爆での破壊可能性は不透明だ。
ピックアックス山は昨年6月の米イスラエルによる「12日間戦争」でイラン核施設を狙った空爆の際も優先攻撃目標ではなく、その後も今年2月以降は攻撃を受けていない。
米国は現在、イランに対する11日連続の攻撃を続けており、当初4〜5週間で終わるとしていた軍事作戦はまもなく半年になろうとしている。ヘグセス国防長官は21日、対イラン軍事作戦の費用が9月末時点の推計で375億ドル(約6兆1000億円)に達する見通しを明らかにした。5月中旬の概算から約85億ドルの増加となった。
トランプ氏はホワイトハウスでレバノンのジュゼフ・アウン大統領との会談冒頭、記者団の質問に答える形で攻撃予告を述べた。一方、イランとの戦闘終結の最終合意に向けた協議については「彼らは望んでいるが、有意義な会談の準備が整うまで、我々は会談する気は全くない」と述べた。イランのモメニ内相は21日、パキスタンを訪問しシャリフ首相と会談し、緊張緩和策について議論したとみられる。
紅海での緊張も高まっている。イエメンの親イラン武装組織フーシ派は21日、複数の海運会社に対してサウジアラビアの港を使用しないように警告した。これを受けてサウジの紅海沿いのヤンブー港から中国とインドに向かっていた石油タンカー2隻が針路を変更し、北方のエジプトのスエズ運河方面へ向かった。トランプ氏はイエメンの反政府勢力フーシがサウジアラビアの船舶を対象に「海上封鎖」を実行した場合、「対処しなければならない」と強調し、紅海の封鎖は現時点では起きていないと述べた。
バベルマンデブ海峡はホルムズ海峡の代替ルートとなっており、緊張激化による紅海の混乱は世界経済への影響を避けられない状況にある。
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