公正取引委員会が東海地方のマンション大規模修繕工事で談合を繰り返した疑いがあるとして、7月28日、浅沼組や長谷工リフォームなど二十数社に立ち入り検査を実施した。設計コンサルタント会社「T.D.S」(東京都中央区)も検査対象となっている。

立ち入り検査を受けたのは、浅沼組(大阪市)、長谷工リフォーム(東京都港区)、建装工業(港区)、日本ハウズイング(新宿区)、大京穴吹建設(高松市)、ユニホー(名古屋市)、オチアイ(名古屋市)、マルコオ・ポーロ化工(豊田市)、カシワバラ・コーポレーション(山口県岩国市)など計二十数社。

各社は遅くとも数年前から、愛知、岐阜、三重の3県に所在するマンションの外壁や内装、防水などの修繕工事において、事前に受注業者を決定し、見積額を調整していた疑いが持たれている。見積もり合わせや入札時に調整して受注者を決めたり、工事価格をつり上げたりしたとみられる。設計監理方式を採用した修繕工事で談合が行われた疑いがあると公取委はみている。

設計コンサルタントは、マンション管理組合から施工業者選定に協力する際、受注予定社を推薦するなどして関与。施工会社から見返りとして工事代金の数%程度をバックマージンとして受け取っていたとみられている。

今回の立ち入り検査は、公正取引委員会が2025年3月から調査を開始した関東地方のマンション大規模修繕工事での談合に関連している。関東地方の調査過程で、東海地方でも同様の談合が行われていた疑いが判明した。関東地方では約40社が事前に受注業者を決めていたとして、排除措置命令を出す方針が固められており、施工会社の一部は関東地方の談合でも検査を受けている。

マンションの大規模修繕工事は、住民から集めた修繕積立金を基に管理組合が発注する。工事方式には、設計と監理を分離する「設計監理方式」と施工会社が設計から工事までを担う「責任施工方式」がある。

国土交通省の2021年度の実態調査によると、修繕工事費の総額は1億円以上が全体の約4割を占めている。1戸当たりの負担額では、100万~125万円が最も多かった。