北朝鮮兵捕虜の韓国移送と公表をめぐる対立

ロシア軍に加わって戦い、ウクライナ軍の捕虜となった北朝鮮出身者2人が韓国へ到着した件に関し、ウクライナの首脳が米ニューヨークの国連総会一般討論で言及しました。現地の情報では、これら2人はすでに韓国に渡り、安全保障にかかわる機関の保護を受けていると伝えられています。

ところが、この経緯が明るみに出たことで、韓国側はウクライナに対して強く抗議する姿勢を強めています。韓国大統領府の関係者は27日に出した声明で、ウクライナ政府に対して正式な釈明と謝罪をするよう要求しました。韓国サイドの主張によれば、当事者間において今回の件を内密にする約定が予め結ばれていたとされています。

非公表合意の有無をめぐる食い違い

大統領府の発表によると、ウクライナ側からは、北朝鮮兵の引き渡しを明らかにすると国内で捕虜交換を進める機会を失うとの懸念から、情報を伏せるように要請されていました。韓国側も、本人や家族の安全を考慮する人道的な立場からその依頼を受け入れた経緯があった模様です。

それにもかかわらず、ゼレンスキー氏が国連の場で急に情報を明らかにし、さらにウクライナ側が秘密裏の約束をなかったかのように振る舞ったと指摘されています。成氏は、事前の協議なしで行われた一方的な発表や取り決めを否定する態度は信頼関係を損なうものであると厳しく批判しました。韓国側は不信感を募らせており、今後の推移によっては追加の対応も検討する構えです。

国内では、北朝鮮の出方が懸念される中で政府が水面下の合意に応じたことについて、北朝鮮に配慮しすぎたのではないかとの声も出ており、こうした世論の動きも背景にあるとみられています。李在明大統領も24日に自身のSNSを通じて、非公開とする約束が破られて情報が明るみに出たことに対して強い不満を表明していました。なお、今回の移送問題に関して北朝鮮側からの公式な反応は報じられていません。