9月30日の死刑執行を巡る状況

米国南部のテネシー州において、9月30日に予定された薬物を用いた死刑のプロセスがうまく機能しないトラブルが起きたと報じられた。命のある状態で医療施設へ移送されていたクリスタ・パイク受刑者に関し、弁護を担当するグループが6日の時点で公表した内容によれば、同受刑者は施設内で意識を取り戻し、言葉を交わせる状況になっているとのことである。

各種の報道や弁護側からの説明に沿うと、ペントバルビタールという麻酔薬が2回投与されたにもかかわらず息絶えることが確認されず、救急車によって近隣の病院へと運ばれた経緯がある。点滴のための血管をうまく確保できずに薬液が体内に入らなかった結果、両方の腕に重い障害や腫れなどの症状が生じたと伝えられている。

弁護側の動きと州知事の判断

弁護グループは、数々の困難があったにもかかわらずパイク受刑者が意識を取り戻して言葉を交わせるようになった点を指摘する一方で、いまもベッドに縛り付けられた状態で手厚い治療を受けており、元の状態に戻るには多くの日数を要すると説明している。こうした状況を踏まえ、弁護側はビル・リー知事に対して、司法判断を仮釈放の認められない終身刑へと引き下げるよう改めて要請を行った。

一連の死刑遂行の失敗を受けて、リー知事は外部の第三者組織による調査が終了するまでの間、同州における死刑の実施を見合わせる方針を示している。さらに、同州では今年5月の時点でも、別の受刑者の死刑の際に点滴のルート確保を巡って問題が生じる事例があったと伝えられている。