日本水泳連盟は7日、2021年東京五輪の競泳男子200メートルバタフライ銀メダリストである本多灯選手(24=イトマン東進)が、自動車を運転中に人身事故を起こし、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪で起訴されていたと発表した。日本代表としての活動継続は適当でないと判断され、本多選手は12日に米国で開幕するパンパシフィック選手権と、9月に開幕する愛知・名古屋アジア大会の出場を辞退する。
東京地検立川支部によると、在宅起訴は5月27日付。事故は2025年11月21日午前8時25分ごろ、東京都多摩市愛宕4丁目の制限速度が時速30キロの道路で発生した。本多被告は時速88〜108キロで運転して対向車線にはみ出し、向かいから来た車両に衝突して相手に胸の骨を折るなどのケガを負わせたとされる。
本多被告は当事者間での話し合いで済むとの判断から、当初は連盟に報告していなかった。今年7月末になって連盟へ報告がなされ、当面の選手活動自粛が決定された。その後、8月4日に本人から書面で代表辞退の申し出があったという。
連盟の金子日出澄副会長兼専務理事(66)は「刑事罰なのでかなり重いと受け止めている」と語り、報告の遅れも問題視されたことを明かした。今後の処分については「有罪ならば、それに基づき一定期間の資格停止になり、大会には出られない。所属での練習も差し止めになると思う」とし、選手生命の危機に直面している状態だとした。連盟は「被害者の方に心よりお見舞いを申し上げますとともに、関係者の皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
また、愛知・名古屋アジア大会選手団の井上康生団長は、TEAM JAPANに関わる全ての者が社会からの信頼の上で競技活動が成り立っていることを自覚すべきだとし、再発防止と信頼回復に取り組む姿勢を示した。
本多被告は2024年パリ五輪で予選落ちしたものの、今季は2年ぶりに代表復帰を果たしていた。7日に自身のSNSで「心から申し訳ないと思う気持ちでいっぱいです」と謝罪のコメントを投稿した。
初公判は8月25日に予定されている。元検事で弁護士の亀井正貴氏は、同罪が大幅なスピード超過など悪質な場合に適用される点に触れ、50〜70キロの速度超過について「狭い道路やカーブなど道路形状にもよるが、制御できないほどの危険な運転と見なされたのだろう」と指摘し、判決については「執行猶予が付く可能性が高い」との見解を示した。
危険運転致傷罪は、悪質な運転で人を負傷させた場合に15年以下の拘禁刑、死亡させた場合は1年以上20年以下の拘禁刑(危険運転致死罪)が科される。1999年に東名高速で起きた飲酒運転事故をきっかけに2001年に制定された。今年7月の改正では、最高速度が時速60キロ以下の道路でプラス時速50キロ以上、時速60キロを超える道路でプラス時速60キロ以上の速度超過があった場合や、呼気中アルコール濃度が1リットルあたり0.5ミリグラム以上の場合に一律で危険運転致死傷罪の対象となるなど、規定が明確化されている。
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